あのSMAP応援メッセージ見開き記事を手掛けたA-port、異色のクラウドファンディングの本音を聞いてみました

様々なジャンルを広く手がけるクラウドファンディングサイトであり、新聞社と言う大きな紙媒体からの発信も可能だと言うA-portさん。新聞というとどうしても固いイメージがありますが……これまでの実績やこれからの展望について聞いてきました。

ー A-port様のWEBサイトを見ると、幅広いジャンルを手掛けているように思いますが、これまでの実績ではどのようなジャンルのプロジェクトが多いですか
A-port 担当 朝日新聞社 メディアラボ プロデューサー 中西 (以下 A-port) : 最初に成功したものがドキュメンタリー映画(クジラを巡る世界的論争描く、日本人監督初の本格ドキュメンタリー映画 で、1824人・2325万円を集めたビッグプロジェクト)ということもあり、やはり成功したものがあると続くということもあり、ドキュメンタリー系は多くなったイメージはあります。もちろんそれだけではありません。

ー 新聞社ならではの発信力や編集力など強い宣伝力が感じられますが、一番の強みとは一体どんなものでしょうか

A-port : 他社様に無いものと言えば、やはり紙媒体に載せる事が出来るのは大きいと思います。実際に新聞掲載されることによって地元からの協力や支援を得られるなど連鎖を生み出していくケースも見受けられます。さらに、他媒体への取り上げが続くなどお金以外の副産物が生まれる事もあります。

それと、中高年の方々に対しては電話対応サービスもしています。読者の方で支援をしたいが支援の仕方がわからないとお困りになった方に電話での対応をさせていただいています。さらに、ネットに慣れていない方には現金書留での対応もしています。起案者と言うよりは支援者の方のためのサービスですね。電話番号は、新聞の特集面はもちろん、トップページにも掲載させていただきています。

ー 支援者側に対しての電話サービスをおこなっているなんて驚きです。逆に起案者の方に対してのサポートはどのような形で行われているのですか

A-port : それぞれのプロジェクトには朝日新聞社の社員が担当としてつきます。原稿については、ある程度担当者とやり取りをしたあと、最後、新聞社で編集局の次長経験のある社員がきちんと原稿チェックを行っています。更に著作権や事業についてのリスクチェックを弁護士に入っていただきクリアにするようサポートしています。夢を実現するためにも事業計画と言う形にして、最後まできちんとフォロー出来る体制になっています。

ー サポート体制が流石と言っては失礼ですが、まさに万全の体制ですね

A-port : 起案者の方に熱意があればあるほどサポートする側も力が入るのはもちろんですが、希望する方にはリリース(ニュースリリース)作成もサポートしていくこともあります。クラウドファンディングによって、起案者やプロジェクトが他の媒体に取り上げられていくことも大切だと考えています。

ー 物凄く話題になったプロジェクトですが、SMAPの応援メッセージが新聞に8ページで掲載されると言う驚きのプロジェクトがありましたが、これは一読者としても驚きでした。(SMAP大応援プロジェクト~新聞メッセージ・どうか届きますように~ ) 画像は実物、下部にはたくさんのお礼の手紙。

A-port : 起案者の方から連絡が来てから数日で原稿をつくっていただき、トータルで8日間ほどで1万3000人を超える支援をいただきました。その期間中だけで250万PVを超えるアクセスがあり、先程お話させていただいたサポートの電話も鳴り止まないほどでした。終了時間間近でサイトにアクセスしづらくなってしまい、締め切るギリギリまで社内で話し合いが持たれ、2時間延長すると言う異例の対応となりました。もちろん延長したことで様々な不具合が起こる可能性はあったのですが、私達はユーザーの方に対して何がベストかを話し合い、23時55分に延長が決定したと言う経緯があります。

その対応について、ありがたいことにたくさんのお手紙やメールをいただいて、スタッフも本当に感激しました。

日本にはクラウドファンディングを定着させたいと思い、私自身が仲間と会社に提案させていただき、A-portが立ち上がりました。クラウドファンディングに関心をもったきっかけは、先述のA-port最初のプロジェクトで起案者となったドキュメタリー映画の監督(佐々木芽生監督)が2012年に実施した「ハーブ&ドロシー2~ふたりからの贈りもの」です。彼女はクラウドファンディングで約1500万円もの資金調達に成功しました。その映画は、当時、日本のドキュメンタリー映画史上最高動員数を達成し、海外で映画賞もとられました。


(写真)2014年スロベニアで開催された国際捕鯨委員会(IWC)第65回会合 引用 a-port

佐々木監督は、映画の為に自身のマンションを抵当に入れてお金を借りたりと情熱を注ぎ込んでいましたが、資金調達は容易ではありませんでした。大げさなことを言うと、もしクラウドファンディングというシステムが無ければ、映画ができず、大きな文化の喪失になっていたのではないかと思いました。そしてこのクラウドファンディングを日本に定着させることによって、彼女のような情熱ある方々が挑戦をしやすくなれば、日本がもっと元気になるのではないかと考えたわけです。

その当時(2012年頃)のクラウドファンディングを運営している方にお話を伺った時に、ベンチャーなので知名度や媒体露出が少ないなどの課題点がありました。その後、社内新規事業コンテストがあり、新聞社が傍観者ではなく市場の真ん中に入って運営者になることによって活性化が出来ないかと。もちろん日本で一番のサイトになるのも大切ですが、クラウドファンディング市場が盛り上がって、支援文化が広がり、挑戦の場を増やしてあげたいと言う思いがあります。

物事をスタートさせようと思っている方にはクラウドファンディングは敵して適したサービスだと思います。例えば『沖縄の伝統的染色「紅型(びんがた)」デザインを食器に。29歳の女流作家・新垣優香が初挑戦☆』と言うプロジェクトがあったのですが、こちらは一日で目標を達成したプロジェクトです。
紅型という沖縄の伝統染色の良さを少しでも多くの人に知ってもらいたいと、そのデザインを日々使える食器にあしらい、商品化を目指したプロジェクトでした。

ー これはしびれますね。達成金額もさることながら、その過程や思いをA-port さんのクラウドファンディング上で強く伝わってきます。

A-port : 紙面で紹介したところ、若いアーティストを応援したいと言う方も多くいらっしゃっいました。

ー 大変失礼なのですが、堅いプロジェクトやサポートなのではと思っていましたが、柔軟な姿勢なのですね

A-port : もっと柔らかくても良いと思っているのですが、それでもまだ少し堅いと思っているくらいです。若い起業家の方とのプロジェクトも今後ドンドン取り組んで行きたいと考えています。

A-portの思いとして、”人の夢を大切にしたい”と言うものがまずあり。熱意のある方は大歓迎、ウエルカムです。ですので熱意がある方と一緒に良いプロジェクトを共に発信していきたいです。